チリンチリン…
お店の奥からそんな音がして、その音に気づいたのか華さんは入り口の方へと向かって行った。
たぶんお客さんが来たのだろう。
華さんがいなくなったその場所に重たい足取りで戻ると
「おい、大丈夫か?」
「………え?」
「顔死んでるけど」
(やばっ…)
顔に出てたらしい私はすぐに作り笑いを浮かべる。
「全然大丈夫!!!
あ、そうそうこの前ね……」
気づかれたくなくて、すぐに違う話題へと変えた。
気づかれたら、そんなことかって呆れられるに決まってる……
少ししてから注文した商品が届いた。
私の頼んだガトーショコラは見た目も可愛くて味も絶対美味しいはずなのに、
笑顔を作るのに必死だったからか、意識がそっちにいっちゃって、いくら食べても味がしなかった。



