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映画館に着くと、休日だというのに意外と人は少なくて並ばずにチケットを買うことが出来た。
「この映画、千恵が面白かったって言ってたんだ~」
「千恵?」
「私と常に一緒にいる子だよ」
「あぁ、あの子ね」
意外にも千恵の事は把握しているらしい蒼空さん。
教えてあげたら千恵喜ぶだろうなぁ。
少ししてから開場時間になったその映画。
席へと座ると
意外と隣の席との距離が近くて、心が落ち着かない。
(こんな事でまだドキドキしちゃうんだよなぁ……)
チラリと横を見れば、蒼空さんのカッコいい顔が目の前に映る。
(カッコいい………)
私、映画集中して観れるのかな…
始まる前は隣にいる蒼空さんに意識してしまっていたけれど、
始まってからといい、なんだか主人公に感情移入してしまった私は大号泣でエンドロールを迎えた。
「はっ、すげー泣いてる」
「だって…、グスン、良い話なんだもん……」
ハンカチ…っとカバンの中を探っていると
隣の席から伸びてきた手が私の頬に溢れる涙を拭う。
「泣きすぎ。拭いきれねーわ」
フッ、と私の顔を見て笑う蒼空さん。
「っ………」
なんだろ…今日で私死ぬかも…
蒼空さんがする行動の一つ一つにキュンキュンしてしまって、
そのうち心臓が爆発しちゃうんじゃないかって……



