「……ん?」




教室に着いて席につく。まだ講義まで時間があるし、携帯を触っていれば蒼空さんから通知が来ていた。




(珍しい…)




そう思いながらも蒼空さんのトーク画面を開ける。




今日、昼まで?

昼までなら食堂で待っとけ。

どうせ今日シフト入ってるだろ?

一緒に行くぞ。




4件程来ていたから驚いたけど、最後の言葉でもっと驚いた。蒼空さんから誘われるなんて初めてだ。




「なーにニヤけてんの?」

「えっ!?に、ニヤけてないし…」




ニヤけていたらしい私は一瞬で真顔に変えるも、千恵はジュースを飲みながらジーっと疑い深く見つめてくる。




「あっやしー」

「別に何もないって……」




千恵って案外勘のいい子だから正直焦る。




「なあ!千恵月姫コンビ!!」




そんな時、私達の前の席に座った小林が喋りかけてきた。良いタイミングで話しかけてきたからホッとする私。




「今日カラオケ行かね??そのあとボーリングも行こうって話になってんだけど」

「カラオケ?へ~いいね楽しそう。私行こっかな」




既に乗り気の千恵に対して今だに携帯をいじる私。




「月姫は?」

「ごめん私はパス。今日バイト入ってるから」

「えーまたかよー!!」




前のめりになって顔を近づけてきた小林に私は後ろに下がる。




「ごめんごめん、また今度誘って!」

「んー…しょーがねーなぁ」




寂しい表情でしぶしぶ前に向き直る小林。




「ほっんと小林って月姫の事好きだよね~」

「違うって。それはないない」




なーんて千恵は言うけれど、そういうの小林は興味ないと思う。誰とでもフレンドリーなだけ。




「まあ月姫には桜井さんがいるもんね」

「だから!それも違うって!!」




ガタッと大きな音を立てて席を立った。


「ムキになっちゃって」とニヤけてくるからキッと睨んでみても効果はなくニヤニヤと笑う千恵。




(アイツなんてほんと興味ない)




頭に浮かんだ蒼空さんの顔をすぐに消し去ってやった。モテる要素なんてどこに隠し持ってんだか。