部屋に戻ると、小林は歌を歌っていて、私は静かに席に座った。
「何そのジュース、美味しそう~」
「あ、これ?チェリースパークリングって書いてたよ」
「あー月姫今さくらんぼブームだもんね」
「当たり~」
そのジュースを飲むと、私の好きな味がして
(蒼空さんも好きそう…)
ふと、そんな事を思ってしまった。
その瞬間、忘れていた事を思い出してしまって、また胸がモヤモヤと曇る。
(蒼空さんはまだ華さんと一緒なのかな…)
時間を見ると、もう少しで18時になりそうな時間帯。
「そろそろ帰るか!」
「そうだね~年末の面白い番組始まっちゃうし」
「月姫は今年も実家に帰るの?」
「んー、今年は帰らないつもり」
一人暮らしの私は年越しを実家で迎えるのが恒例だったけど、
今年は両親が旅行に行っているため、
帰省しても誰もいないから自分の家でゆっくりすることにした。
「じゃあまた講義でな~!!良いお年を!」
「良いお年を~!」
私だけみんなとは違う方向の電車なので、
改札でお別れをする。



