「陽葵さんのデスクの右の棚、そこを探してみろ」


「さ、探して何になるのよ…」


「さぁ?探すか探さないかはお前次第」


「何その急な宝探し……」




そんな事を言われると、気になるに決まってる。




「鍵…閉めときなよ!!」




靴を履き終えると、急いでその場から飛び出した。



あんな事をされてドキドキしない人なんていないと思う。


キスされるのなんて初めてじゃないのに。



この前の時と違ったのは、


蒼空さんの意識がハッキリとあること。


そんな中、蒼空さんは私にキスをしようとした。



(私のこと…好きなの?)



そう思ってしまっても仕方がないと思う。



でも蒼空さんには華さんがいて……




「っ!」




ふと、思い出した。



"あー…、そうか。言ってないな、お前に"



私が知らないこと。


それが蒼空さんの言ってた棚に隠されてるってことなのかな。