「………ん?」
うっすらと目を開けた私。
(ここ、どこ?)
目線の先は白い天井しか見えなくて
(……いや、見覚えがある)
目をパチクリさせていれば、視界の隅の方でひょっこりと心音さんが現れた。
「あら!まあ!目が覚めたのね!良かったわ~!!」
安心した様子を見せて、ソファーの上で横たわる私に抱きついた心音さん。チャイナ姿だが中身は男。
力の強さは尋常ではない。
「心、音…さん!!苦しっっ!!」
首元を締め付けられて、なんだかもう窒息死してしまいそうな勢いだ。
「おい心音、そろそろ死ぬぞソイツ」
「え?あらやだ!ごめんね~!安心してつい!」
蒼空さんの声が聞こえた。そう言ってくれたおかげで、私は心音さんから解放される。
「いえ……大丈夫…です」
(死ぬかと思った…)
ケホッと一度咳払いする私。
「月姫ちゃん喉乾いてない?暖かい飲み物持ってこようか?」
その言葉にコクリと頷くと「ちょっと待っててね!」と、心音さんが私の視界から消えた。



