ジッと視線を感じて私は顔を背けた。きっと真っ赤な私の顔。その照れた顔を見られるのが恥ずかしくて、視線から逃げてしまう。
「彼氏…」
「……、…え。ちょっ、なんで泣く?!」
呟かれたそれに誘われるようにしてゆっくりと視線を当てれば、なぜか神茂は涙をポロポロと零す。
(なぜ!?)
慌ててポケットからハンカチを取り出すも、神茂は自分の手でグイッと目元を拭いた。
「俺……人生で今が1番幸せだ…」
「っ、」
「誰かと食べるご飯は幸せで楽しくて……ダルかった学校も神崎さんと出会えてから毎日が楽しみで仕方がないんだ。」
「なんなの……急に」
ほんと……驚かされることばかり。
「あの時…声をかけてくれて嬉しかった。笑いかけてくれて嬉しかった。……神崎サンに出会えて良かった」
突然泣き出したかと思えば、不良なんて言葉が似合わない表情で私を喜ばせることを言う。
ほんと、どこに恐い要素なんてあるんだろう。
照れ屋だし、不意に見せる笑顔は無邪気だし、突然泣いちゃうし、眉根を寄せているときはニヤケちゃうの我慢しているとか、そんな理由が多いし。
「ありがとう」
こうやってちゃんと想いを伝えてくれるし。
周りの目ばかりを気にして、言いたいことを言えないような至って普通の私なんかよりも、神茂の方がちゃんとしているよ。



