…とは思ったものの。
(学校に来ると何故か緊張する…!!)
靴箱の前で何故か冷や汗でダラダラな私。
神茂はもう来ているのだろうか。
「おっはよ!」
「ひゃっ!…あ、なんだ沙由か…」
「なーに?朝からそんな強張って。あーそっかそういえば神茂と付き合っ「わーっっ!!」
ガッと沙由の口を手で塞ぐ。
「だ、ダメだって言っちゃ…!!」
「なんで?付き合ってるのに」
「付き合ってるからだよ!」
沙由にはもう既に報告済み。
隠したくても隠せないくらい鋭い勘の持ち主だから。
「隠すの?」
「だってバレたりしたら…」
「また怯えてどーすんの!堂々とするって言ってたじゃん」
「うっ…だって…」
「決めたならする!ほら!すぐ行動!!」
「うぇっ!?」
ドンッと沙由に背中を押されて、バランスを崩し倒れそうになったが、
「…大丈夫か?」
「っ!!」
目の前には神茂の姿。
倒れそうになった私をキョトンとした表情で肩に腕を回す神茂。
「うっ、え、あ…」
ドキドキと高鳴る鼓動。
(沙由ーーっっ!!!!)
心の準備がまだ整ってなかったから余計に言葉が出ない。
「えっと、そ、の…」
口をパクパクとさせる私。
(何か言葉を…!!)
なんて必死に探していたけど
「…気をつけろよ」
神茂はすぐに私を離して、そのままスタスタと行ってしまった。