その後は2人で少しだけ散歩して



イジメられていた事を神茂に全て話した。




「……だから、目立つのが怖くて…神茂にもちゃんとした事が言えなかった」




ポツリポツリと話す私。



そんな私を神茂は静かに耳を傾けてくれていた。




「神茂の事は迷惑と思った事ない。……初めの頃は思ってたけど。……ねえ、なんで神茂は私の事好きになったの?」




1番気になっていた事を問いかけた。




いきなりキスされて


いきなり告白されたり


あの頃の神茂にはいろいろと驚かされた。




「……覚えてねーのか」




神茂は1度チラリと私に目線を向けると静かに前を向く。




「名前、席、前後」

「え?」




突然三つの単語を言われて、私はどういう事かと「?」を浮かばせていれば




「……初めて、喋りかけてくれたんだ。この学校に入ってから唯一、神崎サンだけが話しかけてくれた」




神茂は少し嬉しそうに話し始める。




「ありきたりだって思うかもしれねーけど、…俺にとっては凄く嬉しかったんだ。」