「ふーん」




飲み終わったパックジュースをゴミ箱に捨てに行くと、二本目のパックジュースにストローをさした沙由。



そのジュースを少しだけ口に含んだあとに




「それだけじゃないでしょ」

「……え?」




困り果てた私を、疑い深い目で見つめる。




「私は由羅と何年一緒に居ると思ってるの。」

「っ…………」




幼い頃から親しい私達。



やっぱり沙由に隠し事するのは無理だな、なんて気づかされて




「………恐れてた。…目立つ事が」




ポツリ、と本音を口にした。




「私は本当になんの取り柄もないから、目立ってしまう事が怖かった。

……中学生の時の事、覚えてるでしょ?」




沙由は一瞬目線を逸らしてゆっくりと頷いた。




「中学生の頃、学年の王子さまって呼ばれる人から告白されて、…断ったけどそれが噂に流れ女子からの集中的なイジメがあった。」




あの時、沙由がほとんど助けてくれたっけ。




「告白されたぐらいで調子に乗んな、だの。酷い言われよう。

その時から私は、目立つ事を恐れて目立つとイジメられる。そう感じるようになった。

……だけど、今、神茂と出会って一緒に居るようになってから私自身も目立ってきてると思う。

このままだと、またイジメられるかもしれないって…そう思ってしまって…」




何故か視界がぼやけて、涙が目に溜まる。