照れ屋な不良くん






二人を見送った後、はぁ…と息をつく。




「(物凄く疲れた…)」




神茂に対する愚痴をことごとく聞かされ、何故か疲労が溜まる。




「(教室戻ろ…)」




そして再び教室の方向へ歩き始めた。




その時だった




「……!?」




曲がり角を曲ったその先に




「か、みしげ…」




壁にもたれかかって座り込む神茂の姿があった。




「(うそ…ずっとここに居たの?)」




じゃあ、さっきのも聞いていたんじゃ…




「……………」




無言の神茂。


俯いているため、表情を読み取る事が出来ない。




「………なあ」




そして小さな声で呟く彼。



その声を聞いた途端、





「俺…もう付きまとわない方がいいか?」




さっきの話、聞かれていたのだとすぐ理解できた。