「あ!お前らおせーよ!!何して…って、神茂なんかこっちの頬赤くね?」
家庭科室へと戻って来れば、瞬時に蒼井くんが駆け寄って来た。
少し怒り気味の蒼井くんだったが
神茂の顔を見るなり「何があった?」そう言いたげな表情。
料理は完成したらしくもう食べ始めている班もあるみたいで
「(いい匂い)」
家庭科室に入った瞬間お腹が空いたくらい美味しそうな匂い。
「……うっせーな」
ただ、私の隣に立つ彼はとても不機嫌だ。
先程、またしてもキスされてしまいそうになっていたが
私の右手が自然と動き、神茂の頬めがけて
今までで最高のビンタをした。
パーーン!!と、それはそれは良い音が鳴ったと思う。
そのビンタのおかげで、彼の左頬は赤く染まっている。
「………………」
それのせいか
彼からの視線が痛い。



