キラリと輝く一つのピアス。

………十字架。



このピアス、何度も見たことがある。こんなに間近で見たのは初めてだ。


シルバーの十字架で、真ん中辺りには赤く輝く小さいハート型の物が付いている。



あれ可愛いな。そう思いながら目で追っていたのは事実だけれど、

それを付けている人物が意外過ぎて、その事が脳内にこびりつき、コイツの事を知った。



名前はーーー

神茂龍牙(カミシゲリュウガ)



名前からして不良っぽいが、名前の通りに不良だコイツ。



何度か睨まれた経験アリの私にとって、もう神茂という名前を聞けば不良というワードしか出ない。



そんな不良が、何故、




「(私にキスしてんの?)」




不可解な事が起こったものだ。



ついさっきまで私は日誌を戻しに職員室に行き、

さあ帰ろうっと教室に戻って、カバンを肩に掛けて、教室を出た。



そう、ここまでは全然良かった。

むしろ、この後だ。