無口な彼の妬かせ方




チラッと無意識に目線を翔に向けてみれば、



翔の鋭い目がこちらを向いて、目がバッチリと合う。



うっ、と顔をしかめて逸らしたけれど、



恐る恐る、また目を合わして。




「こ、こんにちは……」




唐突に出た言葉は、そんな言葉だった。



自分でも、なんで「こんにちは」って言ったのか分からない。



まだ、昼じゃないのにね。



だけど、テンパっていたのは分かる。



何か喋らないと……って。



キョトンとした顔で見つめてくる翔に、身体中がカァーっと熱くなった。



早瀬くんまでもが、キョトンとした顔で私を見ている。




「えっ…と……」




両手で持つノートの山で、パッと一旦顔を隠した。



き、緊張したぁ……



変なことを言ってしまったけど、ちゃんと喋れた。



ホッと一安心していれば、



「ハハッ」と笑う声が上から聞こえてきて、



パッと顔をあげる。



そこには、クシャッと顔を歪めて笑う翔の姿。