無口な彼の妬かせ方





昨日の今日で、ちょっとは恋人同士らしくなったと思ったのに。



……翔、ってね。



近づけたかと思ったら、離れていく。



ずっと、その繰り返しなの。



距離が遠くなったと感じたら、近づいてきてくれる。



そして、またこうやって離れていくんだ。




「理科準備室まで」


「じゃあ、もうそこだ」




この廊下をまっすぐいけば、もうそこに理科準備室がある。



私はただ、作り笑顔を浮かべた。



………分からない。



翔の考えていることが、分からないよっ……



彼氏だけれど、今だに分からない事がありすぎる。



もう悩むのはやめようって、さっき決めたばかりなのに。



それでも、翔のことを考えてしまう。