無口な彼の妬かせ方






「嫉妬なんていつだってする。
それぐらい、大切に思ってるってことだよ。
嫌いだと思ったことない。



大好きなんだよ。」




力強く言われたそれ。




その言葉が私の心に強く響いた。




「翔っ…」



「泣くな」




ーーグイ。




翔の手が私の顔を挟むかのようにして包み込み、上に向かされる。




「俺は藍が思っている以上にいい奴じゃない。



…知ってる?
俺はすぐに理性を失いかけるんだよ。」




見つめられて



逸らせない私の目。




「え?」



「今だって……
ーーー失いかけだから。」




その言葉を聞かされた寸前、




ーーぎゅう。




翔は力強く私を抱きしめた。




「しょ「動くな。」




”翔”




名前を呼ぼうとしたけれど、瞬時に翔の言葉が覆いかぶさった。




「このままでいろ。
……でないと、俺、なにするかわかんないから」