私は、翔にあげるつもりだったクッキーをカバンの中へ戻した。
チャックをしめて、涙が出そうな目をゴシゴシと擦る。
いつもなら……
笑顔でそれを受け取ってくれて、その場で食べてくれてたのに…
今日は機嫌が悪かったのかな。
「どうしよう……これ…」
カバンの中に入れたクッキーを見つめて、
泣くのを我慢しながら溜め息を吐き出した。
私って…ほんと泣き虫。
このぐらいのことで、泣きそうになるなんてさ。
「っ…………」
泣くのをグッと堪えてカバンを持ち直した。
………だけど
今のは結構、傷ついたかも。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…