「ほら、ほらっ。」なんて、強引に翔の肩を押す蓮くん。
「………押すなよ」
それに対して。
また、眉根を寄せる翔は、
渋々と職員室へ歩き出していた。
「………あっ。
…藍。また今度、
……ちゃんとお祝いしような」
フト思いついたかのように後ろを振り向いた翔は、
私を見て少しだけ緩く笑う。
「う、うん！」
元気よく返事をすれば、
クスッと無邪気な子どものように、笑い返してくれた。
「ほんと、ラブラブだね～。君ら。
見てるこっちも、
ドキドキしてしまうくらいにさ」
ハハッ、と苦笑いを浮かべる蓮くんは、
チラッと私に目線を送る。
「そ、んなことないよ……！」
首を振って、否定はしてみたものの。
ラブラブ……か。
周りからは、そういう風に見えているのか…。
なんて、少し嬉しかったり。
