「お取り込み中にごめんねー?」
「っ、!」
聞き覚えのあるその声に、
私はパッチリと目を開けた。
「…………なんだよ。」
私より早く反応していたのか、
翔は私から少し距離をつくっていて、その声の持ち主に目線を向けている。
眉根を寄せているように見えるのは、
私の気のせいではないみたいだ。
「そんな怒るなよー、翔。
伝言を伝えに来ただけなのにさ。」
ヘラヘラと笑うこの人は、
女好きである蓮くんで。
いつの間に……!
なんて、また恥ずかしさが一気に上がる私。
「………はっ?」
伝言って誰からだよ。
っと、不機嫌そうにゆっくりとその場から立ち上がる翔。
「先生が呼んでたよー。
早く職員室に来いって」
「…………なんで?」
「さあ。知らねー。
まあ、早く行った方がいいんじゃね?」