無口な彼の妬かせ方





崩れ落ちた翔にオドオドしていれば、



スッと私に向かって伸びてきた手。



「えっ?」と、声を出してそれに触れてみれば、




「っ、!」




声を出せないぐらいに早く、



グイッ、と勢いよく私を引っ張り強引に座り込ませる。



ドサッ!と音をたてて座り込んだ私に、



翔は素早く私の首に手を回した。




「っ、えっ!な、なに………」




ヒヤリとしたものが首に触れて、



ピクッと瞼が動いた。



翔の顔は私の顔の横にあって、何かを確認しているかのように覗き込む。




「…………ん。」




ただその一言が、なにやらサインのようで。



私から少し離れて首元を指差す翔。




「っ……!


な、に。なんで……」




そこに目を向ければ、



キラリと太陽の光によって輝く、銀色のネックレス。



そのネックレスの真ん中には、小さなハートが掲げられていた。