無口な彼の妬かせ方






せっせっと拾い集める中で、



徐々にお互いの距離が近くなって。



最後の一冊を拾おうとした時に、



翔もそれを拾おうとしたらしく、手がちょんっと触れる。




「あ、ありがとう。助かったよ」


「……………」




一瞬、動揺する自分もいたが、



そう言って。



それを私が拾おうと掴んだ瞬間。




「…………藍。」


「えっ?」




低い声でそう呼ばれ、



グイーッ、と。



私のその手を軽く引いた翔。




「っ…………!」




至近距離だった為、



目の前には翔の顔。



引かれた事によって、何故かチュッと軽く唇が触れた。




「っ…!はっ…!?」




当然、驚く私。