こんな所を翔にでも見られたら……
どうなる?
嫌われる?
「……なにやってんの。」
そう考えていたその瞬間。
運悪くそれは現実となり、
「翔っ…!」
目の前に眉根を寄せる翔がいた。
「蓮……なにやってんだよ」
「えー?
目の前に、藍ちゃんが一人でいたからさ~
つい、ね」
パッ、と離れた蓮くん。
内心、ホッとした。
「ごめんね~?藍ちゃん」
「あっ……いえ…」
はいっ、と財布を拾ってくれてそれを受け取る。
「まあまあ、そう怒るなって。」
翔に近づいた蓮くんは、
ハハッと笑いながら翔の肩を軽く叩いていた。