はあっ、と息を漏らす私に対して、
翔はまだまだいけそうな表情。
息も特に荒れてはないし、
無表情で頬を少し赤く染めているぐらい。
なんか……慣れてる?
余裕な表情で私をジッと見つめる翔は、
ゆっくりと口を開いた。
「もっと……妬けばいいんだよ」
そっと伸びてきた手が、私の頬を軽く撫でる。
少し温いその手に、私はピクッと肩が跳ねた。
「………妬かれて困る彼氏なんて、この世にいねーよ。
…分かる?
その真逆だ」
「っ、」
チュッ、と。
今度は額にキスを落とされる。
「……藍は、俺の大切な人って、唯だと思ってんの?」
「………う、ん…」
だって。
翔と唯ちゃんは幼馴染で…
何年間も一緒にいて…
私なんかと比べものにならないくらいに、
お互いを知り尽くしていて…。
「……バーカ。
幼馴染なんかより、
……彼女の方が大切に決まってるだろ」