無口な彼の妬かせ方





翔の髪がすごく、くすぐったい。




「ねえ…翔」


「………ん?」




キュッと手を強く握る。




「唯ちゃんって、翔にとってはすごく大切な子だよね……。


なのに……ごめんね。


大切な子って分かっているのに、


そう理解出来ない自分もいて……


イライラしたり、


何度も何度も、唯ちゃんに嫉妬してた」




近づかないでよ、



って思った事も何度もある。



私の翔を取らないで、とか。



翔は私のモノではないのに、そうやって自分勝手な事を思ってた。



"妬かせたい"



それが私の夢だけど、



妬く方はこんなにも辛いことなんだ。



イライラして……



勝手な事を思って……



時には、辛くなることだってあるのに。



私はそんなことを気にせず、



翔に妬かせたいって思いだけが必死だった。