その声に気づいたのか、ゆっくりと顔をあげる翔。
私の姿を見つけると、
「………藍?」
小さい声でそう言っているように見えた。
驚いた表情をする彼はすぐに私の元へとやってきて、
「………なにしてんの。こんな所で…」
はぁっと息を漏らす。
「気分転換に、ちょっとね……」
イライラとした感情を落ち着かせる為でもあるけど……
「ふーん………」
ストン、と私の隣に腰を下ろした翔。
コツンと肩が触れる。
「……翔は?」
久々にこんなに近い距離。
胸が高鳴ってしまうのも、仕方が無いこと。
お風呂上がりなのに……風邪引くよ?
不思議そうに首を傾げて、ジッと翔を見つければ。
「………藍を、探しに」
ポンッ、と。
頭の上に少し冷たい手のひらをのせられて、
ワシャッと撫でられた。



