無口な彼の妬かせ方





「あっ、翔!」




藍のいる教室に着くと、



まだ帰る用意ができていない藍の姿が目に入った。




「ちょっと待って!すぐ用意するから」




急いでカバンの中に荷物を押し込むようにして入れる藍は、



バラバラーッ、と。



運悪く、筆箱が床に落ちてペン類が全部こぼれ出ていた。




「うわっ!!もー!!」




必死にそれらを拾う藍。



ああ、もう。



そうやって急ぐから。



だけど、そんな藍が可愛いと思ってしまう俺。



その姿に、クスリと笑う。



………けれど。



俺も手伝おうと教室の中に踏み出した時だった。




「大丈夫?」


「あっ、早瀬くん!ありがとー」




俺より先にアイツが現れたんだ。



早瀬………



アイツ、藍と同じクラスだったのか。