「翔ちゃんと手をつなぐの久々~」
ギュウッ、と。
俺の手を握る力が強くなる。
………だけど。
「……悪い、一緒には帰れない」
俺はその手をゆっくりと引き離した。
俺には、もう。
約束している相手がいるから。
「………なんで?」
嬉しそうにニコニコと笑っていた唯の表情が一変して、
少し潤目になっている。
なんでって………
彼女と帰るからに決まってるだろ。
「なんでも。」
ポンポンッ、と。
俺は唯の頭を軽く叩いては撫でて、ニコリと微笑んだ。
綺麗なロングヘアーの髪の毛がクシャッと乱れる。
「じゃあな、気をつけて帰れよ」
スッと唯の隣を通り過ぎて、俺は藍のクラスへと向かった。
「………彼女、ムカつく。」
そう、唯が言っていた事に俺は何も気づかなかったんだ。



