そんな恵美の近くに
2、3人くらいの男がじっと俺達の方を見ているのに気がついて。




「……………」




俺は眉根を寄せて少し警戒する。





「おい見てみろよ、あの子服透けてんじゃん」


「あれ1組の恵美ちゃんじゃね?ラッキー」


「あー、あのちっさい子?あの子意外に胸あるじゃん」





さすが思春期真っ只中の男。




コソコソと話しているようには見えるが
恵美は何も気づいているようではなくて




俺は耳がいいのか知らないが、ハッキリとそう聞こえている。





「(どいつもこいつもガキだな)」





あいつらの言うとおり
恵美の着ている服はうっすらと水で濡れていて完璧透けていた。




「恵美、ちゃんと拭いた?」


「え?拭いたよ隅々まで」





隅々まで拭いてこんな濡れるか普通。




ああ、でも髪の毛のせいでもあるか。
恵美ロングだし。




やっかいな事にはなったが
あんな事を言われてニヤニヤと気持ち悪い顔で見られるのってさ




彼氏の俺にとっては良い気はしなくて。