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「………やばい。」
完全に寝過ぎた。起きた時にはもう既に外は明るくて、あのままグッスリと寝ていたらしい私はそのまま朝を迎えてしまったみたいだ。
慌てて飛び起きるけど、1つの違和感が起きたばかりの私を支配した。
「あれ……私いつの間にベッドに…」
記憶上ではソファーの上で寝ていたはずなんだけど。
まさかと思い、アイツの姿を探す。
けれど。どこの部屋にもその姿はなく、もう仕事に行ってしまったのだろう。
(運んでくれた…のか?)
見ず知らずのうちに部屋に戻りベッドの中に入るほど、私は寝癖が悪いわけじゃない。
だとしたら、もう、それとしか考えられない。
きっとそうだと思って、抱きかかえられたんだと思うと身体が勝手に反応し熱くなっていく。
寝顔を見られてしまった。
しかも、抱えられてしまった。
自分の体重がどうこうというよりも、
" 触れられた "
ということがなんとも気恥ずかしい。
ここに住み始めてまだ1日。
アイツの距離感は一体どうなっているのか、
改めて考え直したい。



