だが、


そーゆー時って意外と身体は動くもので


コイツの足を踏んづけてやれば「いっ…」っと顔歪ませた。




「どけって言ってるでしょ」




……危ない危ない。




あのまま流されていれば、絶対にキスされていた。




髪の毛の隙間から見える目が


なんだか真剣そのものだったから思わずドキッとしてしまったけれど




…こんなの、私らしくない。




「抵抗できるみたいで安心したよ…」

「分かったならさっさと向こう行って」




渋々言われた通りに動くアイツ。




ほら……料理冷めてるし。



再度全て温め直して、


それをテーブルの上に置けば、コイツはキラキラとした目でそれを見ていた。




「いただきまーす!」

「いただきます」




初めて人にご飯を作ってあげたから、食べられる事に少し緊張した。



けれど食べるたびに「美味しい!!!」っと言うコイツを見て、


人にご飯作るのも割と悪くないかも、なんてそう思った。




「凛、料理うまいね~」

「ドーモ」

「しらたきのパスタなんて絶対美味しくないじゃんって思ってたけど、美味しくてびっくりした!」

「(……すごい褒めてくるな)」




褒められることは、嫌じゃない。




………ただ、少し照れくさい。