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「じゃあ行ってくる」


「うん。………なによ」





只今午前7時。玄関にて、少しの間どこかに行ってしまう春を見送ろうとした。


それにしては荷物少ない気がするけど、
気のせい?





「約束、守ってね?」

「分かってるって……」

「心配だなぁ」





トートバッグを肩に掛けて眉根を下げる春。



……さっきからそればかりだ。



私ってそんなに信用ないのかと正直イラッときてしまった。



「はぁー…」と深い溜め息をつき、キッと不安げな顔をする春を睨む。





「あのねぇ…そう何度も言われると逆に破りたくなるんだけど」

「じゃあもう言わない。」

「そうして」





だけどまあ…不安はあるようで。



隠しきれていないその表情に

再び溜め息をつき、





「………春。」

「ん?……っ、」





振り向き間際に


触れるだけのキスを頬に1回。





「ちゃんと、守るから」





自分でもどうかしているんじゃないかと思った。



こんなこと……

するようなキャラじゃないのに。



不安げな表情は無くなったものの、
次はキョトン顔。





………はずっ。