酔いしれる情緒




それは前のように少し荒々しくて、

そんなキスをずっとされては呼吸が苦しくなってくる。





「ここ、開けて」





不意に言われたその言葉。


指先でなぞられる唇。



脳内では警報が鳴り響き、
これ以上はダメだと頑なに開けずにいれば





「………凛。」





それにムッとしたのか、

低い声で名前を呼ばれると





「っ……」





さっきよりも激しく私の口を塞ぐ。





(呼吸が……できないっ…)





酸素不足で口を開ければ





「っ!んん…ふっ……」





それが狙いだったかのように、春の舌が私の口内を犯した。



とても甘くてとろけるようなキス。



突然のことに驚きが勝ってしまい目を丸くさせる私。





そして、分かってしまった。



口内に広がるお酒の味。





コイツ、酔ってる。


と。