「もう横になった方がいいよ。」
「………そうする。」
………まあ、もういいか。
はぁ…と溜め息をついて、その場から立ち上がろうとすれば
「っ!? きゃっ!」
急に春が私を抱き抱えるようにして持ち上げるから、びっくりして私が私じゃないような声が出た。
きゃっ!だなんて女らしい声……私も出るんだ。
って、そんな事はどうでもよくて!!
「歩けるから!おろして!!」
「暴れないで。落ちるの嫌でしょ?」
「っ……」
されるがまま、
春に部屋へと連れてかれる。
それはもちろん私の部屋で
「はい、着いた。」
優しくベッドに下ろされると、
「明日には治ってるといいね。」
フワリと優しい笑みを浮かべる。
「治ってなかったら休みなよ?俺がお店に電話してあげるし」
「自分で出来る…」
「そ?」
伸びてきた手が
私の前髪に触れると
額にチュッと軽くキスを落とした。
そして
「おやすみ」
「っ…………」
再び、彼は柔らかい笑みを浮かべて、部屋を出て行った。
(ほんと、キス魔だ……)
キスを許してしまう私も私だ。
気を許してしまっている、完全に。



