「その出来事で、私みたいな人間はめんどくさいだけだ。変わろうって思ったの。悪いものも見て見ぬ振りで生きてきた」 そうやって人間関係に波風立てず、流されるようにやってきて、いつの間にか大学を卒業して働きだして……。 「そうやってしばらくして、友人の結婚式で出会ったのが、あのペアグラスをくれた彼だったの」 「……元恋人ってやつ?」 「そうね」 ずっと黙って私の話を聞いていたユキが、言葉を挟んだ。