「……話すの嫌になった?」
「ううん、そんなことないわよ」
「もし無理してるなら待つよ」
「……あのね、大人になるとなにを話すのにも慎重になるの」
「慎重?」
キョトンとするユキに、私は息を吐く。
……この子はあまり怖いものはなさそうよね。だからこそ簡単に人に踏み込めるのかな?
手をギュッと握りしめ、口を開く。
「私、幼い頃から妙に正義感が強くて。おまけに気まで強くてね、よく周りから煙たがられていたの」
「……」
「だんだん成長してくると、そういう人間ってあまり好まれなくなるじゃない。それでも、自分は正しいと思ってた」
自分で自分を信用できなくなった、きっかけになった出来事を思い出す。



