アパートに帰ると、コートを脱ぐ間も無くユキに手首をを引っ張られ、いつも食事をしているダイニングの椅子に座らされる。 ユキは私の目の前に座り、身を乗り出す。 「ユキ、待って。お腹すいてない?」 「空いてないよ」 「とりあえず何か飲み物……」 「いいから」 自分のことを話すのに、少し心を落ち着けたい。 時間を稼ぐために立ち上がろうとすると、引き止められてしまう。 ユキの吸い込まれるようなキレイな瞳に見つめられると、全てを見抜かれているようで居心地が悪い。