「聞いてほしい」
「……いいの?」
「うん。ユキに聞いてほしいの」
私の言葉にユキは一瞬固まると、嬉しそうに口角を上げた。
「いくらでも」
ちょうど通りかかったタクシーを止め、乗り込む。
自分の全てを打ち明けたら、一体どうなってしまうんだろう。弱い自分を晒すことって、こんなにも勇気がいることだった?
大人になればなるほど自分が臆病になって居たことに驚く。
タクシーの窓の外を流れていく夜の街を眺め、小さく息を吐いた。
「(……ユキは、どんな表情してるんだろう)」
ユキの顔を盗み見るとパチリと視線が合い、安心してと言わんばかりに私の手にユキの手が重ねられる。
単純だけど、臆病な自分がそれだけで消え去っていく気がした。
***



