愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜




「一緒にいるから、春香が話したくなったら話して。それまで我慢する。僕は春香に嫌われない限りいなくならないから」



 ただ踏み込むのではなく、寄り添ってくれる。
 ユキの包み込むようなキレイな笑顔に、私の心に張り詰めていた糸がプツリと切れた。


 会社の前だとか、人が見てるだとか、そんなことはもう気にならなかった。
 まるで縋り付くように私はユキの胸に飛び込む。
 ユキは驚いたように私の名前を呼んだ。



「春香?……人が見てるよ?僕は別にいいけど」
「……タクシーで帰ろう」



 誰にも打ち明けたくなかった。弱みを見せるのなんて、恥ずかしいことだと思ってた。
 でも不思議だ。そんな心のつっかえは、もうない。