胸が締め付けられて、グラグラと視界が揺れる。踏み込まないで、私の傷に。
我慢の限界で、後先考えず突き放そうと口を開いた。その時。
「誰にだって、聞かれたくないことの一つや二つあるよね。僕もそうだよ」
「っ……?」
「でもね、僕は春香が本当は強がってあんなこと言ってたとしたら……って考えてみた」
ユキの手が私の頭に乗る。
大きくて温かいその手のひらを、私は拒むことはできなかった。
「春香が苦しいのは嫌だな、泣いてるのは嫌だな。でも、聞いて欲しくなさそうだ。どうしたらいいんだろうって」
「……うん」
「だから迎えに来た」
優しくて穏やかな声色が、私の感情を揺さぶる。



