「おいしい」
「ユキ、なんだか今日眠そうね」
「うん。昨日の夜中春香にベッドから突き落とされたから」
「ええ?! うそ!」
「うそだよ。特に理由はない」
「……ならいいけど」
「ウインナー美味しい。ご飯おかわりしたい」
「どんどんしていいわよ」
ユキは立ち上がり、炊飯器のご飯をお茶碗によそいながら何かを思い出したかのようにこちらを振り返る。
「春香」
「ん? なに? ……わっ、あと少しで家出なきゃっ」
「僕と会う前誰かとここに住んでたの?」
マグカップをもった手がピタリと止まる。
ユキは私の向かいに座り、目玉焼きを食べながら話を続けた。



