「くだらない……!!」 お金なんていらなかった。認めて欲しかった。ただそれだけなのに……。 なんで分かってくれない? 僕は何のために生まれてきたの? 「こんなもの……こんな……」 怒りが腹の底からせり上がってくる。封筒を握りしめる手が震えた。 だけど、これを受け取ればこの家から逃れられる。 カバンの奥底に封筒をしまい込む。スマホを取り出し、電話帳に並んでいるまだ数回しか会ったことのない人間の名前を眺める。 そして、その1つを選び、メッセージを送った。