愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜




「……しかし、ユキに何を手伝って貰えばいいんだろう」



 でも、今まで元カレが家に泊まりに来ても、彼は家事などを進んでやろうとしなかったし、私も頼まなかった。
 もちろん、それが嫌だと思ったことはなかった。自分でなんでもこなせたから。


 むしろ頼ることはせず、黙って全てをこなし、彼といるときはつねに笑顔で独立した女性らしくあることがイイ女のだと思っていた。
 彼は私のしかめっ面なんて見たことがなかっただろう。猫をかぶっていたから。


 でも、結果彼にとってそれがイイ女には当てはまらなかった。
 挙げ句の果てに『春香の本音が分からない』なんて振られるし……。