愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜





 ゴウンゴウンと何かの機械音がする。
 その音で私は深い眠りから覚めた。


「(っていうか、今何時……?ユキは?起きてるの?)」



 スマホを見ると、もう朝の8時半だった。   
 隣を見ると、いつもくっついて寝ているユキがいない。
 身体を起こして部屋を見回すと、脱衣所から機械音がする。



「……洗濯機だ」



 ユキの仕業か! あの子洗濯できるの?
 立ち上がり着替えを済ませ、急いで脱衣所を覗く。すると、動く洗濯機を背にユキが座っていた。


 ユキは私とパチリと目が合うと、ふにゃりと笑う。


「おはよう春香。僕の方が起きるの早いの、珍しいでしょ」
「おはようユキ。洗濯してくれたの?」
「うん。洗剤と柔軟剤入れるだけだから」
「ありがとう」


 まぁ、確かにそうか。
 私が心配しすぎてた。安心し、洗濯機の中を覗き込む。