愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜





「ユキ」
「ん?なに?」
「ここで一緒に住むのに、約束があるの」
「約束?」



 不思議そうに言葉を発するユキに、話しを続ける。



「ここに住む以上、他の寝床を探しに行かないこと」
「……はい」
「スマホ持ってるでしょ?ユキ」
「うん。一応」
「どこかに出掛けて、遅くなるときは連絡すること」
「分かった」
「あと、何かあったら相談すること」
「ふふっ、多いね」



 ユキは何故か嬉しそうに呟くと、私を抱きしめる腕の力を少し強くした。
 だけど、嫌じゃない。少しずつ眠気が思考を支配していく中、私は言葉を発した。



「家族のことも、気が向いたら、話してね……」



 ユキがいつか家に帰れるよう、私は大人の立場として手伝わなくてはならない。
 そんな意味を込めた言葉に、ユキが返事をすることはなかった。




***