私はユキの両頬を掴み、座るユキに跨るように膝立ちになると、なるべく眉を釣り上げ怖い表情を作り見下ろした。
「ユキ、ここは誰のうち?」
「春香」
「私のうちに来たんだから、ここは折れて私の言うことを聞きなさい」
「嫌って言ったら?」
「厳しく躾けます」
「……なんか僕、本当に拾われてきた野良猫みたいだね」
「ほら、どうするの?一人で寝るか厳しくされるか」
これで折れるだろう。
さすがに追い出すなんて言えないから、ユキも分かってくれるはず。
しかし、それが甘かった。
ユキはギラッと目を光らせ口を開く、そして頰を掴んだ私の手を……。
「えっ……?!な、なにしてっ……待って待って、やだやだ!噛まないで!」
「やだ。噛むよ。僕、躾のなってない野良猫だから」
ユキが私の手の甲を甘噛みする。
一瞬、その行為を理解することができなかった。暴れる私の腰をしっかりとホールドし、手を掴むとガブガブ甘噛みする。



