駅でユキは、ロッカーから着替えの入った小さなボストンバッグを取り出していた。着替えの心配をしていたから、そこは一安心。
そしてユキと一つの傘に二人で入り、私の住む1DKのアパートに着いたのは21時を回る頃だった。
「狭いところだけど、どうぞ」
「おじゃまします」
「待ってね、すぐに部屋を暖めるから。……あと、お風呂よねお風呂」
扉を開け、ユキを招き入れる。
ユキは私の部屋を見回し、借りてきた猫のように小さくなっていた。
寒い部屋を暖めるべく暖房をつけ、お風呂の給湯ボタンを押し、コートを脱いでハンガーにかける。
その一連の動作をユキはジッと立ったまま見ていた。



