愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜





 喉がひくりと震え、上手く言葉が出てこない。床に足の裏がくっ付いたように、その場から動けなくなった。


 私、今どんな表情をしてる?


 なんで? どうして急にそんなこと……。



「この場所は、春香の隣は、居心地が良すぎるから」
「…………」
「また何かあって、春香と連絡を取ったら……僕はまた甘えてしまいそうで」
「…………」




「────もう、逃げない。春香には沢山助けてもらった。だから、今度は僕だけの力で……逃げ場をなくして、一から頑張る」



 ユキの言葉に息を飲む。
 そうか、ユキはもう一人で大丈夫なんだ、一人で進んでいけるんだ。
 そんなことを言われたら止めることなんてできない。


 でも、連絡を取らなくなったら……ユキの気持ちは離れていってしまわない?