「お母さんと話して、家に帰るよ」 「ちゃんと、学校に行く」 「────春香と同じ目線に立てるように、大人になるから」 何も言えなかった。 只々、言葉にできない感情に唇が震えた。 ユキがいつかいなくなってしまうのは私自身が一番理解していたのに。 ユキはユキなりに、私とこの先一緒に居る方法を考えてくれていたんだ。 止めることはできない。親との和解も、本来喜ばしいことなんだから。 だけど、視界はゆらゆらと水の膜で覆われていく。