「それが、僕の好きになった春香だから」
「……は」
「僕が寄り添って生きていきたいと思う、春香だから」
「……」
「『大人』としての答えじゃなくて、『春香』はどう思ってるの」
「春香はこの先、誰と寄り添って生きていきたいの?」
一気にユキと出会った日に、ホテルのベッドの上で聞いた言葉が脳内を駆け巡る。
その瞬間、ごちゃついていた感情が全て嘘のように消え去っていった。
この子は、全てを分かりきって聞いている。
私の押さえつけている感情も、ユキに向ける好意も。
……なんてズルイの。
自分の押し殺していた感情が溢れ落ちるのは、一瞬のことだった。



