愛しのキャットボーイ〜野良猫少年拾いました〜





 ガチャリとアパートの扉が閉まった。
 それと同時に頭の後ろを捕まれ、ユキに抱きすくめられる。


 抵抗しなければいけないのに、何故かそれができなかった。



「あの人、春香の言ってた元恋人?」
「……うん」
「いつ、再会したの」
「この前、駅で」
「知らなかった」
「言う必要、ないじゃない」
「……それでも、言って欲しかった」



 そう、ユキには知る必要のないことだった。


 秀人と私が再会したところで、何もそこから生まれない。
 ユキに話したところで、混乱させるだけだと思った。だから、言う必要はないと思っていた。